健診で異常を指摘された方へ
健康診断や人間ドックで異常を指摘されると不安になるものです。しかし、異常が見つかったということは、病気を早期に発見し治療を始められるチャンスでもあります。当院では消化器内視鏡専門医が精密検査を行うとともに、生活習慣病の継続的な管理にも対応しています。「要精密検査」「要医療」と判定された方は、早めにご相談ください。
セルフチェック:どの項目で異常を指摘されましたか?
指摘された項目と必要な精密検査
便潜血検査陽性
便に微量の血液が混じっている状態で、大腸がんを見つけるための重要なスクリーニング検査です。陽性の方には大腸カメラ検査による精密検査が必要です。便潜血陽性の方の精密検査では、約30〜40%の方に大腸ポリープが見つかり、数%で大腸がんが見つかります。陽性と出たら必ず精密検査を受けてください。
ABC検診異常・ピロリ菌陽性
ABC検診はピロリ菌感染の有無と胃粘膜の萎縮度(ペプシノゲン値)で胃がんリスクを4段階に分類する検査です。B群・C群・D群と判定された方は胃カメラ検査をおすすめします。ピロリ菌陽性の方は除菌治療(1週間の内服)を行うことで、将来の胃がんリスクを大幅に下げることができます。
血圧が高い
収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上が高血圧の目安です。自覚症状がないことがほとんどですが、放置すると動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。当院の生活習慣病外来で減塩指導、運動指導、必要に応じた薬物治療を行い、血圧をコントロールします。
血糖値・HbA1cが高い
空腹時血糖126mg/dL以上またはHbA1c 6.5%以上で糖尿病と診断されます。境界型(空腹時血糖110〜125mg/dL、HbA1c 6.0〜6.4%)の段階でも生活習慣の改善が大切です。早期に治療を始めることで三大合併症(網膜症・腎症・神経障害)を予防できます。
コレステロール・中性脂肪が高い
脂質異常症は動脈硬化を進める主な原因の一つです。LDLコレステロール140mg/dL以上、中性脂肪150mg/dL以上が基準値を超えた状態です。自覚症状がないため放置されがちですが、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。食事療法と必要に応じて薬物治療を行います。
尿酸値が高い
尿酸値7.0mg/dL以上で高尿酸血症と診断されます。放置すると痛風発作(足の親指の付け根の激痛)や腎機能障害のリスクがあります。プリン体の多い食品やアルコール(特にビール)の摂取を控える食事指導と、必要に応じて内服治療を行います。
肝機能異常
AST/ALT/γ-GTPの上昇は肝臓に負担がかかっているサインです。原因は脂肪肝、アルコール性肝障害、ウイルス性肝炎などさまざまです。腹部超音波検査で脂肪肝や肝臓の腫瘍がないかを確認し、血液検査で原因を絞り込みます。
放置すると肝硬変や肝がんに進展する可能性があるため、早めの精査が重要です。
貧血
ヘモグロビン値が基準値を下回る状態です。鉄欠乏性貧血が最も多い原因ですが、消化管からの慢性的な出血(胃潰瘍・大腸ポリープ・大腸がんなど)が隠れていることもあります。血液検査で貧血の種類と原因を調べ、必要に応じて胃カメラ・大腸カメラで出血源がないか確認します。
こんなときは早めに受診してください
- 健診で「要精密検査」「要医療」と判定された
- 前回の健診から数値が悪化している
- 便潜血陽性を指摘されたが、まだ精密検査を受けていない
- ピロリ菌陽性と言われたが、除菌治療を受けていない
- 健診結果の見方がわからず不安がある
よくある質問
Q.便潜血が陽性でしたが、痔があります。精密検査は必要ですか?
A.痔による出血の可能性もありますが、大腸がんやポリープとの区別は大腸カメラでしかできません。便潜血陽性が出た場合は、痔の有無にかかわらず必ず大腸カメラを受けてください。
Q.健診結果を持参すれば診てもらえますか?
A.はい、健診結果をお持ちいただければ、数値をもとに必要な精密検査や治療方針を丁寧にご説明いたします。結果の見方がわからない場合もお気軽にご相談ください。
Q.生活習慣病は定期的に通院が必要ですか?
A.はい、高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症は、定期的な血液検査と経過観察が必要です。当院では月1回程度の通院で数値の推移を確認しながら、食事・運動・薬物治療を組み合わせて管理いたします。
記事監修
かわい内科 胃と大腸内視鏡クリニック 上石神井 院長 川合 真令
日本内科学会認定内科医/日本消化器病学会専門医/日本消化器内視鏡学会専門医/難病指定医。胃カメラ年間約2,500件・大腸カメラ年間約900件の実績に基づき、正確で苦痛の少ない内視鏡検査を提供しています。