大腸憩室症
大腸憩室症は大腸の壁が外側に袋状に飛び出した状態(憩室)ができる病気です。憩室自体は無症状ですが、炎症(憩室炎)や出血(憩室出血)を起こすことがあり、食物繊維と水分で予防が可能です。
セルフチェック
この病気について
原因・特徴
食物繊維の少ない食事による腸管内圧の上昇と加齢による腸壁の弱化が主な原因です。便秘・運動不足・肥満もリスク因子です。40歳以上の約20%、60歳以上の約50%に見られるほど一般的です。
憩室炎の症状
腹痛(特に左下腹部)と発熱が主な症状です。痛みは持続的で、歩いたり体を動かすと悪化することがあります。重症化すると膿瘍形成や穿孔を起こす危険もあります。
憩室出血の症状
痛みを伴わない突然の大量血便が特徴です。トイレの水が赤く染まるほどの鮮血が出ることもあります。約70〜80%は自然に止まりますが、大量出血・繰り返す出血には注意が必要です。
こんなときは早めに受診してください
- 左下腹部の腹痛と発熱が同時にある
- 突然の大量血便がある
- 腹痛が強く続く・悪化する
- 血便が繰り返す
検査・診断
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
憩室の数・位置・大きさを直接確認できます。出血が疑われる場合は出血源を特定し内視鏡での止血処置も可能です。憩室炎の急性期は炎症が落ち着いてから検査を行います。
血液検査・腹部超音波検査
白血球数・CRP(炎症の程度)・ヘモグロビン(出血による貧血)を確認します。腹部超音波で腸壁の腫れや周囲の炎症の広がりを評価します。
治療について
憩室炎の治療
軽症は抗菌薬と食事制限(絶食または流動食)で通院治療が可能です。重症の場合は連携する医療機関での入院治療をご紹介します。
生活指導・食事
食物繊維を豊富に含む食品(野菜・海藻・きのこ・豆類・果物)を積極的に摂り、水分を1日1.5〜2リットル摂ることで便秘を予防します。適度な運動も腸の蠕動運動を整えます。
薬物療法
便秘がある場合は緩下剤(酸化マグネシウムなど)で排便を整えます。高血圧・糖尿病など生活習慣病の管理も憩室出血の再発予防に重要です。
よくある質問
Q.憩室があると言われましたが、治療が必要ですか?
A.症状がない場合は特別な治療は不要です。食物繊維を多く摂り水分を十分にとって便秘を予防することが最も大切です。
Q.憩室出血はまた起きますか?
A.一度出血した方は再出血リスクが約20〜30%あります。血圧管理や血液をサラサラにする薬の見直しなど、再出血を防ぐための対策を一緒に検討しましょう。
Q.食物繊維はどのくらい摂ればよいですか?
A.成人では1日20〜25gが目標です。一度に大量に増やすとお腹が張ることがあるので、1〜2週間かけて少しずつ増やしていくのがコツです。