黒い便が出て不安な方へ
黒い便(タール便)は、胃や十二指腸からの出血を示す重要なサインです。いずれも早めの検査が大切です。当院では消化器内視鏡専門医が胃カメラで出血の原因を迅速に調べます。黒い便に気づいたら、できるだけ早く受診してください。放置すると貧血が進行する危険があります。
セルフチェック
この症状から考えられる病気
胃潰瘍
胃の粘膜が深く傷つき、血管から出血すると血液が胃酸と混ざって黒く変色し、タール便として排出されます。みぞおちの痛みを伴うことが多く、鎮痛薬(NSAIDs)の常用やピロリ菌感染が主な原因です。出血量が多い場合はめまいや立ちくらみ、動悸、息切れが出ることがあり、速やかな検査と止血処置が必要です。胃カメラで出血部位を確認し、クリップなどで止血することができます。
十二指腸潰瘍
十二指腸の潰瘍から出血すると黒い便の原因となります。空腹時のみぞおちの痛みを伴うことが多く、20〜40代の若い方にも発症します。ピロリ菌感染が主な原因であり、潰瘍の治療と除菌治療を並行して行うことで再発を予防します。
胃がん
胃がんからの持続的な出血により黒い便が出ることがあります。食欲不振、体重減少、だるさを伴う場合は注意が必要です。特に50歳以上の方、ピロリ菌感染歴のある方は早めの胃カメラ検査が重要です。早期発見が予後を大きく左右するため、黒い便に気づいたら速やかに受診してください。
こんなときは早めに受診してください
- 黒いタール状の便が出た(1回でも受診をおすすめします)
- めまい、ふらつき、動悸がある
- 吐血がある場合は、救急医療機関を受診してください
- 顔色が悪い、息切れがする
- みぞおちの痛みがある
原因を調べるための検査
胃カメラ検査
食道・胃・十二指腸を直接観察し、出血源を特定します。活動性の出血があれば、内視鏡で止血処置(クリップ止血やレーザーによる焼灼止血)を行うことも可能です。
血液検査
貧血の程度(ヘモグロビン値)を確認し、出血量を客観的に評価します。ピロリ菌抗体、肝機能、炎症反応なども合わせて調べます。
よくある質問
Q.黒い便が1回出ただけでも受診すべきですか?
A.はい、1回でも受診をおすすめします。黒い便は上部消化管(食道・胃・十二指腸)からの出血を示す可能性があり、出血が続くと貧血が進行して危険です。早期に原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。
Q.鉄剤を飲んでいますが、出血との見分け方はありますか?
A.鉄剤による黒い便は比較的硬く形があり、においも通常の便に近いです。一方、出血による便はタールのようにベタベタして光沢があり、独特の強いにおいがあります。判断に迷う場合はぜひ受診してください。血液検査で貧血の有無を確認すれば、出血かどうかの判断材料になります。