睡眠時無呼吸症候群

「家族にいびきがうるさいと言われる」「十分寝ているはずなのに日中の眠気がとれない」「朝起きると頭が重い」──このような症状でお悩みの方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に繰り返し呼吸が止まることで十分な休息が得られず、日中の活動に大きな影響を及ぼす疾患です。放置すると高血圧や心筋梗塞、脳卒中など重大な合併症のリスクが高まるため、早期の発見と治療が重要です。

当院では、問診から検査・治療・継続的なフォローアップまで一貫して対応しております。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)は、睡眠中に一時的に呼吸が停止する状態を指します。気道が狭くなる、または完全に閉塞することで起こり、無呼吸が10秒以上続くことが多く、これが一晩に何回も繰り返されるのが特徴です。

無呼吸により体内の酸素濃度が低下し、脳が酸素不足を感知すると眠りが浅くなって覚醒を促します。この繰り返しにより十分な休息が取れず、日中の眠気や集中力の低下、頭痛などさまざまな不調を引き起こします。

睡眠時無呼吸症候群は、主に「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」と「中枢性睡眠時無呼吸(CSA)」の2種類に分類されます。このうち大部分を占めるのがOSAで、気道が物理的に塞がることで発生します。

原因について

睡眠時無呼吸症候群の原因はさまざまですが、特に以下の要因が発症リスクを高めます。

肥満

体重が増えると首周りに脂肪が蓄積しやすく、これが気道を圧迫することで無呼吸の原因になります。特に腹部肥満も関連しており、BMI25以上の方は特に注意が必要です。

加齢

加齢に伴い筋力が低下し、気道周囲の筋肉が弛緩しやすくなるため、年齢が進むにつれてSASの発症リスクが高まります。40歳以上の男性は特にリスクが高いとされています。

顎の骨格の特徴

下顎が後退している、顎が小さいなどの骨格的な特徴により、気道が狭くなりやすい場合があります。日本人は欧米人と比べて顎が小さい傾向があるため、痩せ型の方でもSASを発症することがあります。

扁桃腺やアデノイドの肥大

扁桃腺やアデノイドが肥大していると、気道が狭くなりやすく、特に子どもでの原因として多いです。

アルコールや睡眠薬の使用

就寝前のアルコール摂取や睡眠薬の使用は、気道周囲の筋肉を弛緩させ、無呼吸を悪化させる可能性があります。

症状について

睡眠時無呼吸症候群の症状は多岐にわたります。ご自身やご家族に以下の症状がないか、チェックしてみてください。

いびき

特に大きく不規則ないびきが特徴的です。いびきが途切れる瞬間が無呼吸状態に該当し、その後に大きな呼吸音とともにいびきが再開します。

日中の強い眠気

十分な睡眠をとっているはずなのに、日中に強い眠気が生じるのが特徴です。会議中や運転中に眠気が襲ってくることがあり、居眠り運転による事故のリスクも高まります。

朝の頭痛

特に朝起きたときに感じる頭痛が特徴的です。夜間の酸素不足が原因で、起きると徐々に改善します。

夜間頻尿

無呼吸状態が引き金となって、夜間に何度もトイレに行くことがあります。SASの治療により改善するケースが少なくありません。

起床時の口の乾き・喉の痛み

口呼吸が増えることで、朝起きたときに口や喉が乾燥し、痛みを感じることがあります。

検査の流れ

当院では、問診から段階的に検査を進め、正確な診断を行います。

STEP1:問診・リスク評価

まず、症状や生活習慣、既往歴について詳しくお伺いします。エプワース眠気尺度(ESS)などの評価ツールを用いて、日中の眠気の程度を客観的に評価します。

STEP2:簡易検査(自宅で実施)

ご自宅で就寝時に小型の検査機器を装着していただき、睡眠中の呼吸状態、血中酸素濃度、いびきの程度などを記録します。普段の睡眠環境で検査ができるため、リラックスした状態で正確なデータを得ることができます。

STEP3:精密検査(必要に応じて)

簡易検査の結果、さらに詳しい検査が必要と判断された場合は、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)をご案内いたします。脳波・筋電図・眼球運動なども含めた総合的な検査により、無呼吸の種類や重症度を正確に診断します。

STEP4:検査結果の説明と治療方針の決定

検査結果をもとに、わかりやすくご説明いたします。無呼吸低呼吸指数(AHI)に基づいて重症度を判定し、患者様一人ひとりに最適な治療プランをご提案いたします。

治療について

生活習慣の改善

生活習慣を見直すことは、睡眠時無呼吸症候群の症状軽減に大変重要です。

  • 体重管理:肥満はSASのリスクを大きく高めます。体重を減らすことで首周りの脂肪が減少し、気道の圧迫が軽減されます
  • アルコールの制限:就寝前のアルコール摂取は気道の筋肉を弛緩させ、無呼吸を悪化させます
  • 睡眠環境の整備:横向きに寝ることで気道を確保しやすくなります
  • 禁煙:喫煙は気道の炎症を悪化させるため、禁煙を強くおすすめいたします

持続陽圧呼吸療法(CPAP)

CPAPは、睡眠時無呼吸症候群の標準的な治療法であり、特に中等度から重度のSASに対して非常に効果的です。鼻や口に装着するマスクを通じて空気を送り込み、気道に一定の圧力をかけることで気道の閉塞を防ぎ、呼吸を安定させる治療法です。

  • 高い治療効果:無呼吸状態をほぼ完全に防ぎ、日中の眠気・頭痛・集中力低下が大幅に改善されます
  • 効果の実感:使用開始後、比較的早期に睡眠の質の向上を実感される方が多くいらっしゃいます
  • 非侵襲的治療:手術のような体への負担がなく、使用方法を守ることで持続的に効果が得られます

当院でのCPAP治療サポート:初期導入と装着指導、治療状況のモニタリング、継続的なフォローアップを行います。

費用の目安(保険適用)

  • 簡易検査(自宅):3割負担で約2,700円程度
  • 精密検査(PSG):3割負担で約10,000〜15,000円程度(提携医療機関にて実施の場合)
  • CPAP治療:3割負担で月額約4,500〜5,000円程度(毎月の受診が必要です)

※費用はあくまで目安です。検査内容や治療の進行状況によって異なる場合がありますので、詳しくはお問い合わせください。

日常生活で気をつけること

  • 体重管理:肥満はSASのリスクを高めるため、適切な体重を維持しましょう
  • アルコールの制限:特に就寝前の飲酒は無呼吸を悪化させます
  • 睡眠環境の整備:適切な高さの枕やマットレスを使用し、横向きで寝る習慣をつけましょう
  • 規則正しい生活習慣:毎日同じ時間に就寝・起床することで、体内時計を整え、質の良い睡眠をサポートします
  • 禁煙:喫煙は気道の炎症を悪化させるため、禁煙を心がけましょう

よくあるご質問

Q.いびきをかくだけでは病気ではないのですか?

A.いびきだけで必ずしもSASとは限りませんが、大きないびきや、いびきの途中で呼吸が止まる場合はSASの可能性があります。ご家族に指摘された方は、一度検査を受けることをおすすめします。

Q.CPAPはずっと使い続ける必要がありますか?

A.CPAPは基本的に継続して使用する治療法です。ただし、体重の減少など生活習慣の改善により、症状が軽減し、使用を中止できるケースもあります。定期的な受診で治療効果を評価しながら、最適な治療方針を一緒に考えてまいります。

Q.検査は入院が必要ですか?

A.最初に行う簡易検査はご自宅で実施できますので、入院の必要はありません。精密検査(PSG)が必要な場合は、提携医療機関での検査をご案内いたします。

Q.治療費は保険適用ですか?

A.検査・診断・CPAP治療いずれも健康保険が適用されます。CPAP治療は月1回の受診が必要で、3割負担の場合で月額約4,500〜5,000円程度です。

症状が気になる方は、ぜひ当院にご相談ください。精密な検査と患者様一人ひとりに合わせた治療計画を提供し、快適な日常生活のサポートをいたします。

かわい内科 胃と大腸内視鏡クリニック 上石神井 院長 川合 真令

日本内科学会認定内科医/日本消化器病学会専門医/日本消化器内視鏡学会専門医/難病指定医。胃カメラ年間約2,500件・大腸カメラ年間約900件の実績に基づき、正確で苦痛の少ない内視鏡検査を提供しています。

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