胃カメラ検査

胃の調子が悪いけど胃薬で様子見…受診すべき危険な症状5選

「胃薬を飲めば大丈夫」と思っていませんか?薬は症状を一時的に和らげるだけで原因を取り除くわけではありません。放置すると危険な病気が隠れていることがある「5つのアラームサイン」をご紹介します。

受診すべき危険な症状5選

① 黒い便(タール便)

便が真っ黒でベタベタしている場合は「タール便」と呼ばれ、胃や十二指腸からの出血を示唆します。血液は胃酸で酸化され黒変するため、上部消化管の出血は黒い便として現れます。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃がんなどの重大疾患が原因のことがあります。鉄剤の服用でも黒くなることがあるため、服薬歴も含め医師にご相談ください。

② 原因不明の体重減少

ダイエットをしていないのに体重が減っている場合は要注意です。国内のガイドラインでは「6か月以内の予期せぬ3kg以上の体重減少」を、精密検査を検討すべき警告症状のひとつとしています。消化器のがんでは栄養吸収の障害やがん細胞のエネルギー消費で体重が意図せず減少します。「ベルトが緩くなった」「痩せたねと言われた」と感じたら一度検査を受けましょう。

③ 食べ物が飲み込みにくい

食事中に「引っかかる」「通りにくい」感覚が増えたら注意です。食道や胃の入り口に腫瘍やポリープがあると食べ物の通過が妨げられます。食道がんの初期症状として現れることもあり、固形物だけだった違和感が軟らかいものや液体にも広がったら早急に受診してください。

④ 2週間以上続く胃の痛み

胃痛が2週間を超えて続くなら自己判断は危険です。慢性的な胃痛の背後に胃潰瘍、ピロリ菌感染、胃がん初期症状が隠れている可能性があります。市販薬で一時的に治まっても原因を覆い隠しているだけです。痛みが繰り返す方はぜひ原因を突き止めるための検査を受けてください。

⑤ 原因不明の貧血

男性や閉経後の女性の貧血は消化管からの慢性的な微量出血が原因のことがあります。自覚なく少しずつ出血が続くと鉄分が失われ貧血が進行します。「疲れやすい」「階段で息切れ」「顔色が悪い」などの症状に心当たりがあれば、胃カメラで上部消化管をチェックすることが重要です。

「アラームサイン」を見逃さないでください

以上の5つは消化器の世界で「アラームサイン(警報症状)」と呼ばれています。日本消化器病学会ガイドラインでもアラームサインがあれば速やかに内視鏡検査を行うよう勧告しています。胃薬で症状が和らいでも原因は消えていません。5つの症状に一つでも心当たりがあれば消化器内科を受診してください。

なぜ市販薬だけに頼るのは危険なのか

市販の胃薬は胃酸を中和したり分泌を一時的に抑えたりすることで症状を和らげますが、痛みの「原因」を治療しているわけではありません。特に胃がんの初期症状は胃潰瘍と似ていることが多く、市販薬で症状が改善してしまうと「治った」と勘違いしがちです。受診が数か月、ひどい場合は年単位で遅れてしまうケースを残念ながら少なからず目にします。

早期受診がもたらす3つのメリット

① 早期発見できる確率が高まる

万が一がんだった場合に早期発見できる確率が高まります。早期胃がんの5年生存率は90%以上。早く見つければそれだけ治療の負担も軽くなります。

② 原因が特定できる

がんではなかった場合でも潰瘍やピロリ菌感染などの原因が特定でき、適切な治療につなげられます。

③ 安心が得られる

「検査で問題なし」とわかること自体が安心材料となり、日々の生活のストレスが軽減されます。