ピロリ菌感染症
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は胃の粘膜に住みつく細菌で、胃炎・胃潰瘍・胃がんの原因となります。WHOが「確実な発がん因子」に分類しており、検査と除菌治療で予防できます。
セルフチェック
この病気について
感染経路・特徴
主に幼少期(5歳くらいまで)に口から感染します。胃の中の強酸性環境でも生き延び、慢性的な炎症を引き起こします。日本人の感染率は年代等により差がありますが、50〜80%とされています。
症状
感染しているだけでは多くの場合無症状です。慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍に進展すると胃もたれ・みぞおちの痛み・食欲不振・吐き気などが現れます。黒い便が出た場合は潰瘍からの出血の可能性があります。
こんなときは早めに受診してください
- ピロリ菌陽性と言われたが未治療
- 胃の不快感が長期間続く
- 黒い便・吐血がある
- 家族に胃がん・ピロリ菌感染の方がいる
検査・診断
胃カメラと同時に行う検査
内視鏡で胃粘膜の状態を観察しながら迅速ウレアーゼ試験でピロリ菌を確認します。胃粘膜の炎症・萎縮の程度も同時に評価できます。
胃カメラを使わない検査
血液検査(抗体検査)・尿素呼気試験(飲んだ薬の成分が吐いた息で検出される検査)・便中抗原検査などがあります。呼気試験は精度が高く除菌後の判定にも使われます。
治療について
除菌治療
酸分泌抑制薬(PPIまたはP-CAB)1種と抗生物質2種を1日2回、7日間服用します。1回目の成功率は約90%です。失敗した場合は抗生物質を変えて2回目の除菌を行います。二次除菌まで行うことで、多くの方が除菌に成功します。いずれも保険適用です。
除菌後の注意点
除菌成功後も萎縮性胃炎がすぐに元に戻るわけではありません。胃がん発生の可能性が残るため、年に1回の胃カメラによる経過観察が不可欠です。「除菌+定期検査」が胃がん予防の鍵です。
除菌中の副作用
軟便・下痢・味覚異常などが出ることがありますが、多くは軽度で服薬終了後に治まります。除菌治療中の飲酒は薬の効果を下げるため控えてください。
よくある質問
Q.ピロリ菌はどうやってうつるのですか?
A.主に幼少期に口を介して感染します。現在は親からの口移しなどが主な経路とされています。成人間での感染リスクは極めて低いです。
Q.ピロリ菌を除菌するとどんなメリットがありますか?
A.胃がんリスクが約3分の1に低下し、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発率が大幅に下がります。慢性胃炎の症状が改善する方も多いです。
Q.除菌治療は痛いですか?副作用は?
A.除菌治療は1週間の内服のみで完了します。注射や痛みを伴う処置はありません。軟便や味覚の変化などの副作用は一時的で軽度なことが多いです。保険適用で受けられます。