胃カメラ検査

逆流性食道炎は薬だけでは治らない?胃カメラで食道がんリスクをチェック

食後に胸がジリジリ焼ける、夜横になると酸っぱいものが込み上げる――そんな症状を市販の胃腸薬でしのいでいませんか?「症状が治まった」と「病気が治った」はイコールではありません。

逆流性食道炎とは

胃酸が食道に逆流し食道粘膜に炎症を起こす病気です。食道と胃の境目にある筋肉(下部食道括約筋)が弁の役割を果たしていますが、加齢、肥満、脂肪食、食後すぐ横になる習慣などで弁が緩むと胃酸が逆流します。日本では食の欧米化と高齢化で年々増加中です。

薬は効く――でもやめると再発する

PPI(プロトンポンプ阻害薬)やP-CABなどの酸分泌抑制薬は非常に効果的で多くの方の症状を速やかに改善します。しかし薬を中止すると再発しやすく何年も服用を続ける方がいます。さらに薬で症状を抑えている間にも食道粘膜にはダメージが蓄積されている可能性があり、「症状がない=安心」とは言い切れません。

長期炎症→バレット食道→食道がんリスク

バレット食道とは

逆流性食道炎が長年続くと繰り返す炎症で食道の粘膜が変化し「バレット食道」が生じることがあります。バレット食道は食道腺がんのリスク因子として重要です。バレット食道からの食道腺がん年間発生率は約0.12%と報告されており、10年で約1.2%、20年で2.4%と、無視できない数字です。

「程度」と「期間」の両面でリスクが増す

バレット食道の範囲が広いほど、また異形成のグレードが高いほどがんリスクが上昇します。だからこそ、症状が続いている方には一度胃カメラで食道の状態を直接確認することが重要です。

一度は胃カメラで食道を見ておきましょう

逆流性食道炎がある方には「一度は胃カメラで食道を直接見てほしい」とお伝えしたいです。

炎症の程度・びらんの有無を正確に評価できる
バレット食道の存在を確認できる
異常がなければ安心できる
バレット食道があっても定期フォローで早期変化を見逃さない

逆流性食道炎の生活改善ポイント

食事の工夫

1食の量を控えめにして腹八分目を意識する。脂っこい食事やチョコレート・コーヒーなど食道括約筋を緩めやすい食品を控える。食後2〜3時間は横にならない。

寝るときの工夫

寝るときは上半身を10〜15cm程度高くする。これだけで夜間の逆流が大幅に軽減されます。

体型・姿勢の改善

肥満がある方は適正体重を目指す。猫背やお腹を圧迫するような姿勢は胃の内圧を上げて逆流を助長します。デスクワークの方は意識的に姿勢を正すだけでも改善する場合があります。

ストレス管理

ストレスも逆流性食道炎を悪化させる因子です。自分に合ったリラックス法を見つけることも大切です。

放置しがちな「軽い症状」にこそ注意

「たまに胸焼けがする程度」といった軽い症状であっても長年続いていれば食道粘膜へのダメージは着実に蓄積されます。「症状が軽いからまだ大丈夫」ではなく、軽いうちにこそ一度胃カメラで食道の状態を確認しておくことをおすすめします。早い段階で生活改善を始めれば薬に頼る期間も短くなりますし、バレット食道への進展を防ぐことにもつながります。当院では逆流性食道炎の患者さまに対して、内視鏡検査の結果に基づいた薬物療法と生活指導の両面からサポートしています。